東日本大震災の評価がまだ定まっていないことから、防災計画の見直しについては想定の見直しを待つ必要がある、というのは3人の講師の共通認識であったが、しかしながら、講演内容は、それぞれの経験を生かした充実したものだった。
各講師からの、重複する指摘事項は、必要性が高い事を示している。つまり、日常からどういう街にしたいのかを明確にしておくこと、これが事前復興・そして本番の復興計画において基礎となる事は明白である。(街の姿を明らかにすること=市特有の地域性・事情・文化性を考慮することとなる)
なお、防災計画は防災にとどまらず、事前復興・業務継続計画など広い視野での盛り込みが必要と改めて感じた。
また防災教育と防災を意識したまちづくり、また情報提供手段のあり方が市民の生死を分かつ重要なファクターであり、先の定例会でも指摘したとおり、見直しが必要となる。
また日ごろできない業務について緊急時には遂行できないという反省から、いかに平時において準備を行っておくかということが必要という視点も改めて得た。
なお支援力にもならず受援力の構築が具体的な示唆はなかったが、緊急時の指揮業務継続体制に外部からの援助が加わった時どういった指揮体制をとるのかをイメージしておくことが必要かと考えた。
また桜井氏の指摘にあったように、報道されない被災地、いわゆる日のあたらない被災地はそれだけで外部からの支援が滞ることが予想される。首長のクライシスコミュニケーションの必要性を感じた。(もっとも外部への発信のみにとどまらないが)