鎌倉市で実施の予定されている小中一貫教育は、いわゆる一貫教育の言葉からイメージされるような小学校・中学校の一体した施設では実施されず、その運営方法に工夫が必要となる。
今回のサミットのテーマはそういった鎌倉の実態に合致した施設分離型がテーマとされており、課題と成果をさぐるために参加した。
すでに全国の約580の自治体で小中連携、もしくは一貫教育に着手されているとの事で、すでに珍しい取り組みではない。だからこそ、その実施内容に差がついてくる段階だと感じている。
また主催者挨拶の中では連携というとあくまで小学校・中学校の区別がある中で、一緒にやっていくというイメージであって、一貫教育のように9年間を包括するといった形式とは微妙にニュアンスが異なるのではないかという指摘もあり、今後の一貫教育を考えるうえでの一つの意味があると感じた。
文部科学省の方からの挨拶では県教育委員会から市教育委員会への権限委譲の必要性、また実施に当たって責任は教育委員会が負担すべきものという指摘があった。
小中一貫教育への理解を得るためには家庭・地域の巻き込みをいかに図り、応援をもらるかが欠かせない。たとえば小中一貫教育の制服・キャッチコピーの作成段階から参加してもらう、全市的なフォーラムを毎年実施するなどの事例が紹介された。
鎌倉市ではすでに実施している教育懇話会、PTAに向けての情報公開や、HP・学校だよりなど従来のツールによる情報の発信の強化が必要。またフォーラムなどは実施してもよいのではないか?
外部からでは中々わからない小学校・中学校間、もしくは小学校・小学校間の壁をいかに取り払い、連携を進めるか、時間の確保とともに難しい課題。
地理的に離れているのでタイムラグがあったりして意識の共有化が難しい。
小中一貫教育コーディネ−ターの配置を行い、各校橋渡しの役割設置の必要。
定期的な合同研修会や合同会議の実施。
教職員の意識改革を小中一貫教育の目的としてあげている自治体も多いが、どのように行うか。
小学校・中学校で分断されるのではなく、あくまでも子どもの発達に合わせて9年間で育てるという視点をいかに持てるか、という意識改革。どう指導し、どう育てるのか共通理解の設定と意識の保持が必要。
小中一貫教育の意義については例えばカリキュラムの作成を通じて一市の3分の一の教員が関わり作成したというケースもあった。お互いの指導観、教材観、児童・生徒観が養われる土壌となったそう いかに多くの教職員の巻き込みを図れるプラットフォームが作れるか。