特に印象的であったのは、フィルムコミッション(以下FC)の事例報告であった。FCの設立のねらいは当然設立地の周知・好ましいイメージの拡大に他ならないが、その運営は利益を優先課題としない。撮影などによる利益が全て地域に還元されるよう、また円滑に行われるよう、撮影者と地域をつなぐ役目を果たす。
また、その運営は、市民のボランティア登録によるエキストラ手配も含んでおり、市民がそれまで気づき得なかった地域の価値の再発見、もしくは様々な人と交流する機会を提供する。これらの機会提供なフィルムコミッションならではの複合的な機会提供であり、鎌倉市でも導入の可能性を探る価値はあるものと考えさせられた。
またパネルディスカッションにおいては会津若松市の町中通りの再生事例が印象的であった。地方都市にありがちな寂れた通りを、それぞれの商店街毎を纏め上げ、補助することによって色彩などに統一感をもたせ、インフォメーション・休憩所を一体化させた観光客へのサービス場を提供することによって、ホスピタリティを感じさせるストリートへと変化させた。補助のあり方など研究すべき。