x 久坂(くさか)くにえ -視察レポート-

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テーマ NPO南からの潮流プロジェクト 超高齢化の街における挑戦
日付 2012年04月05日
場所 南さつま市役所
対応者 NPO南からの潮流プロジェクト 副代表・田端順子氏
狙い;

3.11の震災を受けて、全国の自治体では防災計画の見直しを迫られている。鎌倉市においてはとりわけ観光客の滞留問題や、沿岸部地域での避難所の設定や避難経路の見直しなどが急務となっている。

津波の想定数値等に関しては県での見直し結果を待つことになるが、すでに防災計画で課題として挙げられていた、上記の帰宅困難者対策などについては早急に着手すべき課題だ。専門的見地から見直しについての視点を学ぶため参加した。

中林一樹氏(明治大学教授・元中央防災会議専門委員)講演メモ;
  • 5ヶ月間経過した中での課題
    • 自治体丸ごとの壊滅的な被災で、災害対応、復興に遅れ
    • 災害対策基本法の枠を超えた原発問題との複合災害・広域災害
    • 阪神・淡路大震災の教訓が生かされない
  • 減災というファクターがない
    • 例:東京都→条例に位置づけて災害予防・減災目標設置
    • しかし、日ごろからのまちづくりが必要
    • この定義が明確であれば、復興の基調となる
  • 縦割りで実行される様々なオーダーをすべて統括することが必要
    • 避難所運営の福祉部門と防災部門など
  • 今後予想される首都直下型→複合災害の予想を持つべき
  • 復興にはプロセスマネージメント(PDCA)が必要
    • ハード面;都市空間の再生や住まいの再建計画が先行
    • ソフト面にはその時々の議論要
  • 災害対応と生活再建復興の基礎として10の絆
    • 家族、地域、仕事、行政、専門家・ボランティア、被災者、市町村と県、県と国、国と世界、グローバル経済の中での絆
    • 家族の絆、地域の絆は保持されているか?→離散状態へ
    • 復興支援情報はすべての被災者に届いているのか 
    • 最初の一人から最後の一人まで被災者の暮らしの復興ができるのか(カルテで情報統括が必要)
  • 事前復興の重要性
    • 被害想定に基づく復興の形を明確に 
    • 復興対策←災害に強いまちづくりという発想転換へ(上記の日ごろのまちづくりに)
    • だから、防災まちづくりの実践と復興まちづくりの準備
渡辺実氏(防災・危機ジャーナリスト)講演メモ;
  • 現在多くのコンサルタントが現場に入っている
    • 阪神・淡路大震災の経験から10年間付き合うつもりでの契約をアドバイスしている
    • 復興は10年間以上かかるとみる 
  • 東日本大震災についての評価
    • 地震調査委員会で現在調査は続行中 ターゲットとする災害は何か(確認要)
    • すべて調査が終了するのは平成24年の予定←被害想定もできない。
      =地域防災計画は毎年見直しを行い、毎年市民に最新情報を提供するくらいの心積もり
  • 津波被害にリアリティを持つこと(とりわけ沿岸部を抱える地域は)
  • 行政自体が被災する可能性も大 対口支援の確立
    • 南海トラフでは人口密集地域の震災 どこから支援をひっぱってくるのか
  • 情報が人命を救う時代になっているが、その体制は確立されているのか
  • 地盤沈下・液状化で地下埋設物への甚大な被害(下水道・ガス管・水道など)
  • 情報はすべて市民へ公開する・対応の体制がとられているのか
  • 世界で初といってもよい複合災害(巨大地震・津波・原発)
    →スマトラ+チェルノブイリクラス
    • 例:房総半島沖で今回規模の震災の場合→防潮施設に欠ける東京湾にすべて流れ込む
    • しか今回の震災でもすでに東京湾にてのりの養殖に対する被害・プレジャーボートも被害にあった
渡辺実氏(防災・危機ジャーナリスト)講演メモ;
  • 阪神・淡路大震災と比較して
    • 今回はスーパー広域・複合型震災 災害救助法の適用も241市町村と10倍になる
    • 明治時代の教訓から防災教育・護岸など減災対応はなされていたものの、被害総額も30兆円と、3倍近い 
    • 災害時には多数の職員が必要なのに、職員自身も多数被災した
  • 起こりえない、という事はもはやない
    • リスクをいかに考えるかが、自治体の責務である
  • 阪神淡路大震災時に、災害救助法は昭和22年制定のまま←国に要望しながら変えた
  • 今回は対応早いが、杓子定規でまったく柔軟な対応できていない
  • 教訓は生かされていない ←避難所のレイアウトなど 仕切りない、ペット、環境悪い
  • 神戸市 あらゆる土地を確保して仮設住宅を設置した 
    • 都市・まちづくり 行政と学者のギャップをいかに埋めるのか
  • 今回の浸水区域人口と死亡率←防災教育と浸水経路の違い
  • 多くの住民は津波がくると思っていなかった
  • 防災無線がまったく聞こえていない
  • 宮城県防災計画上の津波予想 政府想定が、平成17年度の想定とは全く異なった数値で確定されている(予算の関係上だろうと推察する)
  • 伝聞・各地域の言い伝えが蔑ろにされ、防災訓練にも生かされなかった
  • 2010年のチリ地震津波で避難した人があまりに少ない事は関係者間で話題
    • 併せて気象庁の謝罪が危機意識を薄めた
  • 罹災証明書
    • 自治事務・法律行為でなくサービス行為 証明の範囲は市町村の判断
  • 法律に精通する必要がある 災害弔慰金の至急範囲の解釈など
    • 制度を知っているだけではダメ。問合せに答えられるマニュアルがあるのか
    • 被災者証明台帳が作成できない 使いこなせない
  • 生活再建で留意すべき点
    • 街の環境の質保持・市民生活の質の保持・立ち直る気概を人々が持てるとりくみ
    • 災害復興を可能とする活発な経済活動、自分たちの付けを次世代に先送りしない
    • 復興とは自分たちがやること・行政には公平性、説明責任が求められる
  • 復興計画 急いで、しかし市民参画が必要
    • 計画策定能力 日ごろからまちのビジョンをしっかりと考える
    • パッションおよびリーダーシップ
  • 日ごろ行っていないことは緊急時にではできない
  • 災害は現在抱えている街の課題を噴出させる
  • 支援力・受援力
  • 阪神・淡路大震災時にも大阪・豊中市のように光の当たらない(報道されない)地域の支援はまったく遅れた←今回も同様の地域が多数存在している
総括

東日本大震災の評価がまだ定まっていないことから、防災計画の見直しについては想定の見直しを待つ必要がある、というのは3人の講師の共通認識であったが、しかしながら、講演内容は、それぞれの経験を生かした充実したものだった。

各講師からの、重複する指摘事項は、必要性が高い事を示している。つまり、日常からどういう街にしたいのかを明確にしておくこと、これが事前復興・そして本番の復興計画において基礎となる事は明白である。(街の姿を明らかにすること=市特有の地域性・事情・文化性を考慮することとなる)

なお、防災計画は防災にとどまらず、事前復興・業務継続計画など広い視野での盛り込みが必要と改めて感じた。

また防災教育と防災を意識したまちづくり、また情報提供手段のあり方が市民の生死を分かつ重要なファクターであり、先の定例会でも指摘したとおり、見直しが必要となる。

また日ごろできない業務について緊急時には遂行できないという反省から、いかに平時において準備を行っておくかということが必要という視点も改めて得た。

なお支援力にもならず受援力の構築が具体的な示唆はなかったが、緊急時の指揮業務継続体制に外部からの援助が加わった時どういった指揮体制をとるのかをイメージしておくことが必要かと考えた。

また桜井氏の指摘にあったように、報道されない被災地、いわゆる日のあたらない被災地はそれだけで外部からの支援が滞ることが予想される。首長のクライシスコミュニケーションの必要性を感じた。(もっとも外部への発信のみにとどまらないが)



 
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